GW中のある1日、園のお友だち家族6組とお出かけした。
お友だちと一緒に川沿いの歩道をみんなで歩いていると、楽しくて楽しくて興奮した子供たちがキャッキャッ言いながら走り出し、どんどん先に走っていき、安全な歩道から車道に面した道に出るためのスロープに差し掛かった。
大人はあせって「ストーップ!」と大声で言ったけど、その制止の声を聞かずにそのうちの1人が車道に面した歩道に出た。
そこも歩道だったからまだ良かったものの、みんな動揺した。
大人も子どもも動揺した。
特に子どもたちは動揺した。みんな怒り出して口々に何か言っていた。
わたしには娘の言葉だけがはっきり聞こえた。
急に道路に出たら危ないんだよ!
お手て繋がないとダメなんだよ!
強い口調で同じことを何度も何度も繰り返し言っていた。
そのうち、他の子どもたちが「そんなに怒らないで!」と娘に向かって言い始めた。
娘の言うことはたしかに正論だけど
なん度も言われたり強く言われたら嫌だよな。
そんな風に思った。私自身もどうしたら良いかよくわからずに、「そうだね、そんなに怒らないで。大丈夫だったんだから」と娘に言った。
娘はうつむいたまま黙り込み、その後は何もなかったようにみんなで楽しく遊んだ。
でも、私はあの時娘にかけた自分の言葉にずーっとモヤモヤしていた。
娘は間違ったことは言っていないのに、お友だちからは「怒らないで」と言われ、ママからも「そんなに怒らないで」と責められちゃったのだから。
とにかく1週間くらいモヤモヤしているときにこの絵本と出会った。
怒られてばかりの僕、他人に対して怒る僕、怒られても怒っても気持ちはスッキリしない、怒らない人になりたい
という内容の絵本。
やけに娘はこの絵本に惹きつけられて何度も読んでとおねだりしてきた。
私は私で、この本の一節「なんで人は怒るんだろう」にはっとした!
怒るのにだっていろんな理由がある、複雑な気持ちがからんでる。
あの日の娘は明らかに動揺していた。
道路に走りでたらダメ、大人と手をつないで歩こう、と言われ続けて来た。
娘はあの日怒っていたのではなくて心配していたんだ。
道路(車道に面した歩道)に走りでたお友だちのことを、すごくすごく心配していたんだ。
私が娘にかけるべき言葉はたぶんこうだった。
止まってって言ったのに○○ちゃんが走り出ちゃったから
すごく心配したんだよね。危ないことだもんね。
でも、もう大丈夫だよ。
だから、何度も言わなくていいよ。
同じことを何度も言われるのが
あまり好きじゃない人もいるからね。
そして、怒らないでって娘に言ったお友達にはこう言ったらよかったかも。
(娘)ちゃんは心配してるの。
心配しすぎて、怒っているようにみえるの。
○○ちゃんに何もなくてよかったね。
3歳~4歳の子どもたちはこれからどんどん社会性も育って、人間関係も複雑になっていく。
そんな時、相手の立場に立って相手の気持ちを考えられる子はきっと良い人間関係を築けるはず。
中川ひろたか「おこる」は、自分の気持ち、相手の気持ちを考えるきっかけになる、ぜひ親子で読みたい1冊です。